認知症による最高裁判所の判決(3月1日)

先日、最高裁判所で認知症の男性が電車にはねられ死亡した事故を巡る裁判が行われました。

争点になったの点は家族に監督義務があるかどうか?

生活の状況などを総合的に考慮すべきという初めての判断を示しました。

今回のケースでは監督義務はなかったとして家族の賠償責任を認めない判決を言い渡しました。

 

事故内容は平成19年に認知症の91歳の男性が電車にはねられ死亡した事故で、JR東海は振り替え輸送にかかった費用などの賠償を求める裁判を起こし、1審と2審はいずれも家族に監督義務があるとして賠償を命じていました。最高裁判所第3小法廷の岡部喜代子裁判長は、認知症の人や精神的な障害がある人の家族などが負う監督義務について同居しているかどうかや介護の実態、それに財産の管理など日常的な関わりがどの程度かといった生活の状況などを総合的に考慮するべき、という初めての判断を示しました。

今回のケースでは妻も高齢者で介護が必要なうえ、長男も仕事のため離れて暮らしていたことなどから認知症の男性を監督することが可能な状況ではなかった

と指摘して、家族の監督義務や賠償責任を認めない判決を言い渡しました。

判決は認知症の人の家族などが無条件に賠償責任を負うのではなく、客観的に判断して監督することが難しい場合、責任を問われないとするもので、認知症などの介護の現場に広く影響を与えることになると思います。

 

総合的に判断と言っても同居や財産管理などの介護の実態という曖昧な判決なのでケースによっては賠償命令も出る可能性があることがわかります。実際に認知症の介護は難しく、今回のケースだと子供が仕事をしているケースが基本的には多いことから、どう事故を回避するのは難しい課題となるのではないでしょうか?

 

介護施設等に預けている場合は、勝手に外に出られないようにしていますが、万が一出てしまって事故が起きた場合には賠償命令が下ると思います。

 

ご自宅で介護される場合も今回のケース同様の結果がでるとは限りませんので十分な注意が必要です。ご自宅で介護をしてあげたいとは思いますが、24時間つきっきりというのは非常に大変なので、介護施設に入ってもらう等の早めの対策が必要となるのかもしれません。